歯髄壊死
歯髄壊死(しずいえし)とは、歯の内部にある歯髄という組織が死んでしまう状態です。
歯髄は、歯の中心に存在し、血管や神経が含まれています。この組織は歯の成長や栄養供給を担っており、感覚を感じる役割もあります。この組織が死ぬと、歯の感覚が失われたり、感染が広がったりします。
歯髄壊死の原因とは
◉虫歯の進行
虫歯が深くなると、歯の内部にある歯髄に達し、感染や炎症を引き起こします。これが進行すると、歯髄が壊死することがあります。
◉歯の外的な衝撃や割れ
事故や強い衝撃で歯が割れたりひびが入ったりすると、歯髄が損傷を受けて壊死することがあります。
◉歯周病の進行
歯周病が進行すると、歯の根の周囲の組織や血流が悪くなることにより最終的に歯髄が壊死することがあります。
症状は?
◇痛み
◇歯の変色(暗くなる)
◇歯茎から腫れや膿が出る
⚠️歯髄壊死の進行に伴い、痛みが発生する場合と発生しない場合があります。これは歯髄の損傷の度合いや状態によって異なります。
1. 痛みがある場合
歯髄炎
歯髄が感染や炎症を起こすと、血流が増加し神経が圧迫され、強い痛みを感じます。虫歯が進行すると、歯髄が炎症を起こして痛みを引き起こすことが一般的です。
急性歯髄炎
感染が急激に進行し、神経が圧迫されて痛みが強くなることがあります。特に夜間に痛みが強くなることがあります。
2. 痛みがない場合
慢性歯髄壊死
歯髄が壊死すると神経が死んでしまうため、急激な痛みが消えることがあります。壊死した神経はもはや信号を送らないため、痛みがなくなることがあります。しかし、この場合でも感染が広がり、再度痛みや膿が出ることがあります。
進行が遅い場合
壊死がゆっくり進行する場合、痛みが少ない、またないことがあります。壊死した歯髄が完全に死んでしまうと、痛みが感じられなくなりますが、感染のリスクは依然としてあります。
◉治療方法
1. 根管治療(歯の神経を取り除く治療)
歯髄が壊死した場合、最も一般的な治療法は根管治療です。この治療では、壊死した歯髄を取り除き、感染した部分をきれいに掃除し、根管内を消毒して詰め物をします。この治療により、歯を保存できる可能性が高くなります。
①歯の内部を開けて、壊死した歯髄を除去。
②根管内を消毒し、感染を防止。
③根管を適切に充填し、封鎖する。
2. 抜歯
根管治療が不可能な場合や感染が広がりすぎている場合、歯を抜く必要があることもあります。特に、歯の根が完全に破壊されている場合や、感染が他の部位に広がっている場合は、抜歯を選択せざるを得ないことがあります。
歯髄壊死は、治療しないと感染が広がり、歯を失う原因になることがあります。痛みがない場合進行に気づきにくいのでレントゲンや定期検診でチェックを受けて下さいね✨
用賀 長岡歯科